2023/01/06
前回はロジシンの基礎、帰納と演繹について触れました。
帰納法と演繹法を用いて、考えの主張、評価は可能になったかと思います。
今回は帰納と演繹を応用して実際に思考を整理する技術と、整理化済みの思考を文章化までを達成できるように解説したいと思います。
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目次
文章はピラミッド構造で書く
このピラミッド構造は頭の仕組みを反映したもののため負荷が緩和される
頭の仕組み
・トップダウンに記憶
・関連付けの論理を明らかすること →理解・関連付け・全体把握を伝え手が行えばよい
・マジックナンバー7±2
(認知心理学者のジョージ・ミラー氏の研究結果により短期記憶の限界は5~9つ程で平均7であると判明している)
「考えるプロセス」と「書くプロセス」は分けること
「考えるプロセス」が重要です。
「考えるプロセス」には、構成も含まれます。
そのため「書くプロセス」の時点で手が止まることはありません。
読み手を軸にして書く
・文章に起承転結は使ってはいけない
起承転結が使えるのは小説でストーリーを盛り上げるときだけです。
読み手はいち早く書き手の考えを知りたいのです。
・「読み手は誰か?」を考えることが大切
読み手が10人いれば10通り書き分けるのがベストです。
しかし現実的ではないため、読み手の中からターゲットを絞ること。
さもなくば誰も誰一人説得することはできません。
一人のために書くを基本とすること。
OPQ分析を行って結論を決定する
O:Objective:読み手にとっての「望ましい状況」「目標」
P:Problem:現状と「O:望ましい状況」とのギャップが「問題点」
Q:Question:読み手が抱く「P:問題点」に対する「疑問」
この「Q:疑問」に対しての回答を主メッセージ(結論)として書く
※OPQ分析はSCQ分析のビジネス特化したもの
SCQ分析はバーバラ・ミントが提唱
(S:Situation:状況,C:Complication:複雑化,Q:Question:疑問)
コツ:
1.すべて読み手の視点で表現すること(読み手を理解してることが大切)
2.比較のレールを外さないこと(モノサシを適切に)
3.文書の主メッセージはQに直接答える
分析などというと高尚に聞こえるが、要するにに「あるべき理想の状態」と「現状」の差を提起し、答えるだけ
考えを形にする
・メッセージを絞り、グループ化する
グループ化時には抽象度・包括度を可能な限り抑え明確にすること!
マジックナンバー7±2の下限の5でグループ化を行うこと。
・要約メッセージに「4つの鉄則」のチェックをいれる。
・「so what?」を繰り返し伝える内容を明確にする
要約メッセージからあいまい言葉を検出し、最終的に伝えたいメッセージを導く
ピラミッドを作る
ピラミッドは帰納法と演繹法で組み立てる
コツ1.1つの考えを短く明確に
・主メッセージとキーラインを早めに決める(仮でよい。大枠から詳細へ)
・ピラミッド内で文書を書こうとしてはいけない。
コツ2.縦と横の「二次元」を意識する。
・縦軸は上が結論、下が根拠。 →下位レベル群を要約してるかどうか
・横軸は「同じ種類(グループ)の考え」
コツ3.論理的に順序づけられているかどうか 確認する
・4つの順序(演繹順、時間順、構造順、分類(度合い)順)
・結論が決まってない → 下から上へ組み立てる
・結論が決まっている → 上から下へ組み立てる
◆ボトムアップ型アプローチ
1.事実、要素などをすべてリストアップ
2.どんな関係があるか考える
3.帰納、演繹で要約メッセージを抽出し結論を導く
◆トップダウン型仮説アプローチ
主メッセージを仮に決め最上部の箱を埋める
1. 箱を描き主題を書く(主部:ピラミッドの頂上)
はっきりする→基本の4パターンのうちどれか?
はっきりしない→2へ
2. 疑問を書く(Q)
読み手のどんな疑問について答えればよいか書く
はっきりしないなら4へ→
3. 答えを書く(述部: A)
答えをまだ持たないなら、答えねばならないとメモ
4.どのような状況か明確にする(S)
・読み手の疑問に対する答えをどの程度とらえてるか
・主題に沿って状況にさかのぼり議論の余地のない部分を記述
5. どのような複雑化が生じたか?(C:状況の変化)
→2.の答えは読み手の疑問にあったものか?
6.答えから新たにどのような疑問が生じるか?
7.演繹的に答えるか?それとも帰納的に答えるか?
→選べるなら、理解しやすく負担がないので帰納を使う
帰納で答えるならどのような同一名詞で事柄をくくることができるか?
8.このレベルでQ&A形式のプロセスを繰り返す
文書で表現する
構造は「考えるプロセス」のピラミッドと同じ。(転記するだけ)
段落表現
・1段落1メッセージ
・改行+大きめの行間
接続詞
・しりてが接続詞を廃止する
・ロジカル接続詞を使用すること
導入部(「はじめに」や経緯の説明等)
・OPQ分析(又はSCQ分析)を利用する
導入部の書き方
ストーリー形式で書く
・読み手の雑念を追い払う仕掛けが必要
・主題への物語で興味を高める
・合意することから伝えれば読み手は柔軟な態度をとれる
→その後の本文で意見を異にするかもしれないことを伝える
知識を与えるためのものではなく、思い起こさせるためのもの
・内容が妥当かどうか説得しなくてはならないようなものを含んではいけない
・図や表は使わない
「状況」でスタートし複雑化、疑問へと進める
・ストーリーの3要素を常に含ませる「状況」「複雑化」「解決」
導入部の長さは2つか3つの段落で十分
・明白なことをくどくど書かない
・同じ土俵に立っていることを確信できればよい
過去の出来事は常に導入部に書く
・読み手がすでに知っていることだけを書く
→知らないことは本文で書き、知ってることを本文に含まない
読み手の合意する事項だけに限定する
ピラミッド構造の最終的なパターン
OPQ分析(又はSCQ分析)により読み手の疑問は以下3つのうちどれかに分類される。
・状況判断の疑問(WHY)
→「これは問題か?」 「どのような問題が存在するのか?」 「どこに問題が存在するのか?」 「なぜ問題が存在するのか? 」
・解決方針の疑問(WHY)
→「問題を解決するために何ができるか? 」「どう解決するのが最善か? 」
・解決行動の疑問(HOW)
→「具体的にどう実施すべきか? 」
この3パターン疑問により、回答パターンも同様に対応した3パターン
・状況のWHYを回答
・方針のWHYを回答
・行動のHOWを回答
このためWHY構造かHOW構造かの2パターンに集約される
WHY構造
・なぜ?なぜならば
→理由/根拠/事例などを下部で説明
HOW構造
・どのようにすべきか?具体的には?
→具体策/行動ステップ/行動上の重要ポイントを下部で説明
その応用としてWHY/HOWをセットに三段論法にて回答を行う
WHY/HOW構造
・なぜ?なぜならば。どうすべきか?
→WHYを説明後、HOWまで指示
「問題は・・・なので解決のために・・・すべきである。」